2025年、DEXが選ばれる理由|dYdXとCEXの決定的な違いとは

近年、中央集権型取引所(CEX)への信頼が大きく揺らぎつつある中、分散型取引所(DEX)への資金移動が加速しています。 中でも注目されるのが「dYdX」の存在です。
本記事では、dYdXがなぜ今注目されているのか、そしてユニスワップやパンケーキスワップなど他のDEXと比較して、どのような決定的な違いがあるのかを解説します。
第1章:なぜCEXからDEXへ?背景にある“信頼”の崩壊
2022年以降、CEXでは複数の不正・破綻・ハッキング事件が発生し、多くのユーザーが資産を失いました。
- 2022年11月:FTX破綻(数十億ドルの顧客資産が消失)
- 2023年:BlockFiやVoyagerなどの破綻が連鎖
- 2025年2月:Bybitがハッキング被害(約40万ETHが流出)
これらの事件は「預けた資産は本当に安全なのか?」という根本的な問いを市場に投げかけ、 「自分の資産は自分で管理する」という自己保管志向の高まりを生みました。
この流れが、DEXへの資金流入を後押ししています。
第2章:dYdXの台頭|レイヤー1移行と驚異的な進化
dYdXは、もともとイーサリアムL2上のプロトコルとして稼働していましたが、 2023年末にCosmosベースのレイヤー1チェーンに移行しました。
この移行により、以下の大きな進化が実現しました:
- CEX並みの超高速な約定スピード
- 完全なオーダーブック方式による透明性と自由度の高い取引
- 独自トークン(DYDX)によるガバナンスと報酬設計
👉 オーダーブック方式とは:価格と数量が板情報として可視化され、ユーザーは希望価格での注文が可能。AMMと異なり、価格の透明性と柔軟性が高い。
こうした設計は、ただのDEXではなく、CEXの代替を本気で狙うプロ仕様の取引所であることを示しています。
第3章:AMMでは限界?他のDEXとの違いとは
UniswapやPancakeSwapのような代表的なDEXは、AMM(自動マーケットメーカー)方式を採用しています。
これは「通貨ペアの比率」に基づいて価格が決まる仕組みで、簡単に取引ができる反面、以下のような課題もあります:
- 価格スリッページが大きい
- 市場価格との乖離が起きやすい
- 板情報が見えないため、透明性に欠ける
👉 AMMとは:ユーザーの流動性提供により、常に取引可能な状態を作る方式。板を持たず、価格は数式で自動決定。
これに対してdYdXのようなオーダーブックDEXは、
- 価格の視認性が高く
- トレーダーが意図した通りに約定しやすい
- 大量注文にも柔軟に対応可能
といった実務的な利点があります。
また、2025年初頭に爆発的な注目を集めた「Hyperliquid(HYPE)」もオーダーブック式DEXであり、 dYdXと同様に“次世代DEX”として位置づけられます。
第4章:バブルとDEX需要の関係性
現在の仮想通貨市場は“2025年バブル”とも言われる状況にあります。
こうした上昇相場においては、
- ハッキングや破綻などのネガティブ材料が増幅されやすく
- 新規参入者は安全性や信頼性を求める傾向が強く
結果として、中央集権型(CEX)よりも分散型(DEX)へ資金が流れやすい構造が生まれています。
さらに、dYdXのようにCEXに引けを取らないUI・約定スピード・板取引を備えたDEXは、 トレーダー・投資家の双方にとって魅力的な選択肢となり得ます。
まとめ:dYdXは“DEXの完成形”となるか?
- CEXの信頼低下と共にDEXへの関心は急上昇中
- dYdXはレイヤー1移行により、CEX級の性能を獲得
- AMM型DEXにはない、価格の透明性と実務的な柔軟性を提供
- Hyperliquidなどと共に「板方式DEX」の本命として台頭中
今後、DEXに求められるのは単なる「非中央集権性」ではなく、 トレード環境としての完成度・安全性・信頼性であることは間違いありません。
その点で、dYdXは極めて有力な選択肢と言えるでしょう。
🔗参考文献(2025年7月時点)
ハイパーリキッドについての記事はこちら→「新たなDEX」Hyperliquid(ハイパーリキッド)とは?その将来性は。 –